前回は、現代人は圧倒的なミネラル不足である、というお話でした。
では、ミネラルが不足するとどうなるのでしょうか。
まず、代謝の主役は酵素。
そして酵素が働くサポートをしているのがビタミンとミネラルです。
ビタミンを合成するのも酵素の働きですからミネラルが必要です。
結局、ミネラルが最も大切な栄養素ということになります。
ミネラルがどんなところで働いているかというと、皆さんがよく知っているのは鉄Feですね。
鉄Feは、赤血球中のヘモグロビンを構成する成分です。
ですから鉄不足は貧血になります。
また、カルシウムCaは骨の成分です。
ですからカルシウム不足は骨がもろくなり、骨粗しょう症などになりやすくなります。
このあたりは多くの方の知るところです。
しかし、カルシウムは骨以外でもいたるところで利用されている元素なんです。
たとえば、筋肉を収縮させるためにカルシウムが使われています。
私たちの体は全身筋肉で出来ていると言っても過言ではありません。
体を動かす筋肉はもちろんのこと、まばたきしたり、しゃべったり、便を出すための肛門も筋肉です。
食べたものを消化するためにも、呼吸するためにも、心臓を動かすためにも筋肉が使われています。
また、神経細胞の中を情報が伝達するためにもカルシウムが利用されています。
ですから、カルシウムが不足すると思考力や判断力や記憶力が衰えたり、運動能力が衰えたりといった影響もあります。
このように、1つの元素が多くの働きを担っているのですね。
また、超微量元素の働きも見逃せません。
たとえばマンガンMn。
これは子育てホルモンの分泌に関与していると言われています。
マンガンが不足すると、子どもに虐待をしたり、育児放棄をしたりと、人を慈しむ心がなくなると考えられています。
超微量で十分な元素なので、普通に食事していれば摂取できる元素なのですが、コンビニ弁当や外食やスナック菓子に偏った食事は普通とは言えませんよね。
また、1つの働きに複数の元素が関わっている場合がほとんどです。
たとえば鉄が働くためには他の十数種類のミネラルが関わっていると言われています。
このように、ミネラルはチームで働くのですね。
だから、何か1つでも不足成分があると、いくら鉄をたくさん摂取してもうまく働かないということもあるわけです。
ミネラルはバランスよく摂取する必要があるということです。
そのお話は次回に!